海の手記

報告と記録

やめない

自分の強欲さに呆れかえる日々です。漱石は「何も考えていない人の顔が一番気高い」と言ったしTHE NOVEMBERSは「生きていることを忘れても心臓はとまったりしない」と歌った。太宰治は「僕が早熟を装って見せたら、人々は僕を、早熟だと噂した。僕が、なまけもののの振りをして見せたら、人々は僕を、なまけものと噂した。(中略)けれども、僕が本当に苦しくて、思わず呻いた時、人々は僕を、苦しい振りを装っていると噂した」と著し、芥川は「僕たちの頭だって、あぶないよ」と呟いた。なにかにならないと、どこにもいけないんだよ。もう許してくれよと考えて、許していないのも、許されたいのも自分だと思い出して、自嘲気味に笑う。なんて、無様。これ以上何を望めば気がすむんだ。多くを望める人間じゃないことなんてもう何年も前に思い知ったじゃないか。大切なひとの心配まで食い物にして、肥大化する嫉妬と羨望、劣等感。遅すぎたという悔悟。今はただ、手に入れた特別を、離さないように、必死にすがりついて、依存して、抱き留めていよう。もう何もないのは嫌だ。