海の手記

報告と記録

旅行

ずっと生きていたいと考えて、あるいは考えるように自分を飼い慣らしてきたぼくだけれど、それでも消えてしまえたらと考えたことがないと言えば嘘になってしまう。ぼくにとって青春とは生き長らえてもいい理由を、価値を、ぼくに見出だすための時間でした。
でも貴女はいてくださいと言ったね。いなくてはだめだと言ってくれました。そして泣き虫な貴女のことを思うと、ぼくはもう消えてしまえたらなんて考えることができないのです。ぼくがいなくなったあとの貴女を考えるとたまらなくかなしく、そんな地獄を貴女に与えてはならないと思うのです。ぼくがいなくなったら貴女はどうなるでしょうか。きっと彼あたりからそのことを聞くのでしょうか。そして世界にもうぼくがいないことに悲嘆し、絶望し、泣くのでしょうか。考えたくないね。
大丈夫だよ、ぼくは貴女を置いてどこかへ行ったりしません。そして、貴女がいなくなったときのぼくも貴女と同じであることを、どうか知っておいてください。ぼくはどうしようもなく嫉妬深い人間なようなので、貴女を無闇に傷つけることも多いけれど、本当に貴女がぼくを選んでくれたことを嬉しく思っているし、ぼくも貴女を選んでいるのですよ。
旅行、楽しかったです。また本が増えたね、ありがとう。貴女の生活の貴女により近いところに触れられたこともとても嬉しい。以前よりもすこしだけ泣き虫になった貴女が愛しく、またすこしだけ心配です。貴女が出会った頃を回顧していたように、今を懐かしむときがきっと来るから、大丈夫だよと言い続けることにします。すきですよ。