海の手記

報告と記録

身の内に怪物を飼っているような気がする。
どうすれば飼い慣らせるのか、あるいは、どうすれば殺せるのか。今はただ、美しく生きる人間が羨ましい。こんなおぞましいものを腹の内に隠しているような人間から生まれでた音楽が、言葉が、物語が美しいわけはなく、だとすれば僕は生きていても仕方がないのではないか。
美しい貴女を汚すだけならば、(いかに貴女がそれをよしとしようとも、だ)僕はなんとしてもこの怪物を殺さなければならないと思うのだ。
宗教はだめだった。ならばもう自罰より他にないのではないだろうか。罰されているうちは、なんとか呼吸が許されている錯覚に陥ることができる。
もう何もわからない。
自分が間違っているということだけは、わかるけれど。