海の手記

報告と記録

ああもうだめだな、と思う瞬間がいつもあります。
僕はもうひとを羨んだり、自分に絶望したりはしたくないのです。自分以外を無能と切り伏せ、自分の蒙昧であることに無知であった頃、間違いなく僕は誰よりも天才だったし、誰よりも神様に近かった。
自分が不出来なわけでは決してありません。僕は天才として生まれてきました。不出来なんてことを認めてしまってはまるで両親のせいにしているようで、いいえ僕がこうまで無能であるのは自分の責任であり、怠惰に全てを疎かにしてきた結果なのです。僕が「こう」なのは他でもない僕に起因するのです。そう信じています。
やさしくあり続けることが僕の意味です。やさしくなければ生きていてはだめな気がして、僕は自らをやさしくあれと鞭打つのです。
ねえ、僕は生きていていいんでしょうか。なんて、生きてはいけない人間も、生きているべき人間も本当はない筈なのに、ヒロイズムに浸るのは気持ちがいいね。
僕には、まだやりたいことがたくさんあります(そしてその多くは僕には出来ないことです)。
僕には、大切なひとたちがたくさんいます(ですが僕は僕が大切ではありません)。
ねえ、僕はここにいてもいいんでしょうか。