海の手記

報告と記録

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

恋文

こちらは晴天です。 なんて言葉が、貴女に何らかの感情を喚起させられるようになるくらいには、この街はもう貴女にとって特別でしょうか。みたことのある道、店、風景。そういうものがすこしずつ増えて、いつかこの街が貴女のものになりますように。そう思い…

融解

自らの狭量さ加減に辟易する。傍からみて自分は大層面倒くさい人間であるだろうし、平素通りの鈍感もまるで用をなさないので困っている。感情というものは非常に生理的なもので、飼い慣らすには理性という手綱はあまりにもか細い。そもそも自分がここまでの…

ふと

本当に自分が気持ち悪くて仕方がない。 声帯を震わせ、口腔から放たれる言葉はまさしく本当な筈なのに、相反するどろどろと粘度を持った感情がいまだ僕の中から消えない。最低な気分。最低な思考。傷つくのは平気だけれど、傷つけるのは嫌だ。僕に起因する何…

ああもうだめだな、と思う瞬間がいつもあります。 僕はもうひとを羨んだり、自分に絶望したりはしたくないのです。自分以外を無能と切り伏せ、自分の蒙昧であることに無知であった頃、間違いなく僕は誰よりも天才だったし、誰よりも神様に近かった。 自分が…