海の手記

報告と記録

それは、きらきらと輝くゼリーポンチ。
それは、別れ際の京都駅ゼロ番ホーム。
それは、丸善の海外文学コーナー。
それは、略奪した布団で猫のように丸まる人。
それは、哲学の道で汗ばんだ手のひら。
それは、昔ながらのドーナツと煙草のにおい。
それは、今も本棚にあるとある女性作家の文庫本。
それは、ハンドルを握るきれいな手。
それは、耳朶に光る愛しい銀色。
それは、日本一きれいと言われる大手コーヒーチェーン店。
それは、完成前の美術館にいた白熊。
それは、大好きな人の、大好きな友人。
それは、人生で最も緊張した夜ご飯。
それは、水槽で揺蕩うクラゲ。
それは、それは、それは。